2013年10月16日水曜日

盲目の少女の勇気

昨日の夕方、京都の北区にある大谷大学を通り過ぎました。 丁度東門の入口あたりに、10代後半であろう女性が自転車を両手で支えて、立ち止まっていました。 何か不自然な気がしたので、自転車の故障かな? と考えたのだけど特に自転車を直そうともしていないし、周りの人も通り過ぎていたので、ただ人を待っているだけかと思い直しました。 私がその少女の真横を通る時に、つえを持っていたことと目に怪我か障害があることが分かりました。 一瞬私の頭によぎったのは、目は悪いが自転車に乗ることはできる、すごいな。でした。 通り過ぎたのですが、気になって振り返るとやはり人を待つというよりか困っている風でした。 気になったので私は引き返して、「大丈夫ですか?」と声をかけると、少女は間髪いれず「この自転車立ててもらえませんか?」と言いました。 よほど、困っていたのではないかと感じました。 ここでハッとしました。 歩道にポツンと自転車が置いてあり(この門付近には自転車は普段一切止まっていない)、そこを歩いていたその少女はその自転車にぶつかった。 そして、その自転車のスタンドが外れ倒れそうになったが、倒れる前に自転車を支えることは出来たが、直すことが出来ず途方に暮れていたということなんだなと。 私が、「直しておくから大丈夫だよ、もう行ってもいいよ」と言ったのですが、少女はすぐ移動せず「ありがとうございます」と言いながらその場にいました。 「ガチャン」とスタンドが立つ音がすると、少女は直ったことが確認できたようで、また「ありがとうございます」と言いました。 とてもハキハキした声で話す少女でしした。 私は考えた。 目をつぶって外を10歩あるけるかというと、難しいだろうな。 そんな中を、イレギュラーな障害物がある中を少女はずっと歩いている。 その勇気に比べたら、困っている人を助ける勇気なんて、小さいものだと感じた。 自転車を直してからその少女に「家までちゃんと帰れる?」と聞いた。 返事は覚えていないけど、きっと返事は「大丈夫です」だったのだろう。 どれくらいの時間、自転車を支えていたのかが今も気になっている。